はじめに

みなさん、かわいい犬を飼っていますか?それとも、これから犬を飼おうと考えていますか?
どちらにしても、犬の健康を考えるうえで最も大切なことの一つが「食事」です。
人間と同じように、犬も適切な食事をとることで健康で幸せな生活を送ることができます。
しかし、犬の食事については誤解や間違った情報が多いのが現状です。
どうすればいいのか迷ってしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。
「人間の食べ物を与えても大丈夫?」「どのくらいの量をあげればいいの?」
「手作り食にチャレンジしてみたいけど、栄養は足りるのかな?」など、疑問は尽きません。
そこで今回から3回にわけて、犬の食事に関する基本的なルールについて、わかりやすく解説していきます。
今回はドッグフード全般の話と、食べてはいけない食べ物の話をします。
目次
はじめに
犬の栄養バランスの基本
ドッグフードの選び方
適切な食事量と回数
与えてはいけない食べ物
まとめ
犬の栄養バランスの基本
犬の健康を維持するためには、バランスの取れた栄養摂取が欠かせません。
人間と同じように、犬にも様々な栄養素が必要です。ただし、人間と犬では必要な栄養素の種類や量が異なるので注意が必要です。
犬に必要な主な栄養素は、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルです。特に、犬はタンパク質を多く必要とします。
これは、犬が本来肉食動物であることに関係しています。
良質なタンパク質は、筋肉の維持や皮膚、毛皮の健康に欠かせません。
脂質も、エネルギー源として、また皮膚や毛並みの健康維持に重要です。
ただし、与えすぎると肥満の原因になるので注意が必要です。
炭水化物は、エネルギー源としての役割があります。犬は人間ほど多くの炭水化物を必要としませんが、適度な量は必要です。
ビタミンやミネラルは、体の様々な機能を正常に保つために重要です。
例えば、カルシウムは骨や歯の健康に、ビタミンEは免疫機能の維持に役立ちます。
これらの栄養素をバランス良く摂取することが、犬の健康的な食事の基本です。
しかし、犬の年齢や体格、健康状態によって必要な栄養バランスは変わってきます。
例えば、成長期の子犬はより多くのタンパク質とカルシウムを必要としますし、高齢犬は消化しやすい食事が適しています。
また、犬の品種によっても適した栄養バランスが異なります。
大型犬と小型犬では、必要なエネルギー量や栄養素の比率が違うのです。
さらに、活動量の多い犬や妊娠中の犬など、特別な状況にある犬には、それぞれの状態に合わせた栄養管理が必要になります。
このように、犬の栄養バランスは複雑で、一概に「これが正解」というものはありません。
ただし、基本的な知識を持っていれば、自分の愛犬に適した食事を選ぶことができます。
次の項目では、この基本的な知識を活かして、どのようにドッグフードを選べばよいかを見ていきましょう。

ドッグフードの選び方
多くの飼い主さんが利用しているのがドッグフードです。
ペットショップやスーパーに行けば、たくさんの種類のドッグフードが並んでいますよね。
でも、どれを選べばいいのでしょうか?ここでは、ドッグフードの選び方のポイントを解説します。
まず、ドッグフードには大きく分けて「ドライフード」と「ウェットフード」があります。
ドライフードは乾燥させた固形のフードで、保存が効き、与えやすいのが特徴です。
ウェットフードは水分を多く含んだ缶詰やパウチタイプのフードで、香りや味わいが豊かです。
どちらを選ぶかは、犬の好みや生活スタイルによって決めるとよいでしょう。
次に、原材料表示をよく確認することが大切です。良質なタンパク質源(肉や魚)が上位に記載されているものを選びましょう。
また、人工添加物や保存料が少ないものが望ましいです。
年齢や体格に合ったフードを選ぶことも重要です。
子犬用、成犬用、高齢犬用など、それぞれの成長段階に適したフードが販売されています。
また、大型犬用や小型犬用など、体格に合わせたフードもあります。
アレルギーを持つ犬の場合は、特定の原材料を避けたフードを選ぶ必要があります。
例えば、鶏肉アレルギーの犬には、鶏肉を使用していないフードを選びます。
価格も選ぶ際の一つの基準になりますが、必ずしも高いものが良いというわけではありません。
ただし、あまりに安いフードは、質の良くない原材料が使われている可能性があるので注意が必要です。
最後に、自分の犬に合っているかどうかを確認することが大切です。
新しいフードを与え始めたら、犬の様子をよく観察しましょう。
食欲があるか、消化の様子はどうか、皮膚や毛並みに変化はないかなどをチェックします。
合わないようであれば、別のフードに変更することも検討しましょう。
ドッグフードを変更する際は、急に切り替えるのではなく、徐々に新しいフードの量を増やしていくことが重要です。
急な変更は、消化器系に負担をかけ、下痢などの原因になることがあります。
このように、ドッグフードの選び方には様々なポイントがあります。
最も大切なのは、自分の犬の状態をよく観察し、その犬に合ったものを選ぶことです。
迷った場合は、獣医師に相談するのも良い方法です。
適切な食事量と回数
犬に適切な量の食事を、適切な回数で与えることは、健康管理の基本です。
しかし、「適切な量」や「適切な回数」は、犬によって大きく異なります。ここでは、食事量と回数の決め方について解説します。
まず、食事量については、犬の体重、年齢、活動量、健康状態などを考慮して決める必要があります。
一般的な目安として、体重の2〜3%程度の量を1日の食事量とすることが多いですが、これはあくまで目安です。
例えば、成長期の子犬は、成犬よりも多くの栄養を必要とするため、体重の5%程度の量を与えることもあります。
一方、高齢犬や運動量の少ない犬は、代謝が低下しているため、少なめの量が適切かもしれません。
また、ドッグフードの種類によっても適切な量は変わってきます。
高カロリーのフードであれば、少ない量で十分な栄養が摂れますし、低カロリーのフードであれば、より多くの量が必要になります。
フードの袋に記載されている給餌量を参考にしつつ、自分の犬の状態に合わせて調整することが大切です。
次に、食事の回数についてですが、これも犬の年齢や生活リズムによって変わってきます。
一般的には、成犬の場合、1日2回(朝と夕方)が適切とされています。
しかし、子犬の場合は、1日3〜4回に分けて与えることが望ましいです。
子犬は胃が小さく、一度にたくさん食べられないため、少量ずつ頻繁に与える必要があります。
また、高齢犬の場合も、消化能力が低下していることが多いため、1日3回程度に分けて与えるのが良いでしょう。
食事の時間は、できるだけ規則正しく設定することが大切です。
例えば、朝7時と夕方6時など、毎日同じ時間に与えるようにします。
これにより、犬の体内リズムが整い、消化や排泄のタイミングも安定します。
ただし、注意しなければならないのは、与えすぎないことです。
肥満は犬の健康に悪影響を及ぼす大きな問題の一つです。
食事の量が適切かどうかを判断するには、定期的に体重を測ることが大切です。
また、犬の体型をよく観察し、肋骨が触れる程度の体型が理想的です。
逆に、痩せすぎも問題です。食事量が足りていない場合、栄養不足になり、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。
適切な食事量と回数は、犬それぞれで異なります。
自分の犬の状態をよく観察し、必要に応じて調整を行うことが大切です。
分からないことがあれば、獣医師に相談するのが一番確実な方法です。
犬の食べてはいけない食べ物
犬は何でも食べてしまう傾向がありますが、人間にとって安全な食べ物でも、犬にとっては有害なものが多くあります。
ここでは、犬に与えてはいけない代表的な食べ物について説明します。
まず、最も注意が必要なのがチョコレートです。
チョコレートに含まれるテオブロミンという成分は、犬の体内で代謝されにくく、中毒を引き起こす可能性があります。
特にダークチョコレートは危険度が高いので注意が必要です。
玉ねぎやにんにくも犬には有害です。
これらに含まれる成分が犬の赤血球を破壊し、貧血を引き起こす可能性があります。
ネギ類全般(長ネギ、白ネギ、ニラなど)も同様に注意が必要です。
ブドウやレーズンも犬にとっては危険な食べ物です。
これらを食べると、急性腎不全を引き起こす可能性があります。ごく少量でも危険なので、絶対に与えないようにしましょう。
アボカドにはペルシンという毒素が含まれており、犬が食べると嘔吐や下痢を引き起こす可能性があります。
マカダミアナッツも犬には有毒で、食べると後ろ足の脱力や発熱などの症状が現れることがあります。
キシリトールは、人工甘味料の一種で、ガムやお菓子によく使われています。
犬がこれを摂取すると、急激な血糖低下や肝不全を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
生の魚や肉も注意が必要です。寄生虫や細菌が付着している可能性があり、食中毒の原因になることがあります。
また、生の卵白に含まれるアビジンという成分は、ビオチンの吸収を阻害するため、与え続けると栄養障害を引き起こす可能性があります。
骨付きの肉も避けたほうが良いでしょう。骨が喉に詰まったり、消化管を傷つけたりする危険があります。特に鶏の骨は危険です。
カフェインも犬には有害です。コーヒーや緑茶、エナジードリンクなどカフェインを含む飲み物は与えないようにしましょう。
アルコールも絶対に与えてはいけません。犬の体はアルコールを分解する能力が低く、少量でも中毒症状を引き起こす可能性があります。
塩分の多い食べ物も避けるべきです。犬は人間よりも塩分に敏感で、多量の塩分摂取は脱水や電解質バランスの乱れを引き起こす可能性があります。
これらの食べ物以外にも、犬に有害な食品は多く存在します。
基本的に、人間用の食べ物を犬に与える際は十分な注意が必要です。
どうしても与えたい場合は、事前に獣医師に相談するのが賢明です。
また、もし誤って犬が有害な食べ物を食べてしまった場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。早期の対応が重要です。
まとめ
犬は人間と同じで、食べ物により、病気になったり健康を維持したしります。
犬の健康を維持するためのものを選び、病気になりやすい食べ物や、中毒などを起こす食べ物は控える必要があります。
そのために、必要な知識を持つことが大切です。愛犬が健康的で、長生きするのは、嬉しいものです。
できるだけ気をつけてあげましよう。
